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タイトル・私はセックスがしたい 私は眠りたい 私は 読みました

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タイトル・私はセックスがしたい 私は眠りたい 私は 読みました

タイトル・私はセックスがしたい 私は眠りたい 私は

作者・ハルハル(春a裏)様

作品ジャンル・純文学
作品アドレス・私はセックスがしたい 私は眠りたい 私は (syosetu.com)(なろう)

 

作品のあらすじ

美味しいもの大好き! (なろうの紹介文より)

キーワード・人外、輪廻転生、食べ物(なろうのキーワードから一部引用しております)

 

 あまり純文学・ホラー系統は読まないため、こちらの批評また推察については間違いがあるかと思いますが、このような読み方もあるというように寛容にお受け取りください。

 

 

■文章と内容について 

・一人称による語り口調

・長さ・短編

 

 文章については、書き慣れていらっしゃるため、読みやすかったです。

 純文学的であるが、改行をいれて読みやすさを重視して、ストレートな軽い文体による読み手へとの圧迫感を与える印象を受けました。

物語を淡々とさせるためなども含めて意図してるのかな、と思います。とても素晴らしいと思います。

 

淡々と【わたし】が山に登り、過去を思い出す。という回想手法としては文章のくせをあくまで削いでいるため、誰でも入りやすい。

 かわりに強烈な自殺・レイプといったワードが出てくるので、文章に感情があまり感じられないため強烈なインパクトさがある。

 ただ描写がかなり削がれているため、少し「ん?」という印象も覚えました。

 わたしは家に帰らず、どこかに立ち寄ったのか。それとも家に帰ったのか。その行動は自暴自棄的な感覚なのか、それとも何も感じなくなっての本能的なものなのか。

 山に行く、というのも唐突さを少しだけ感じましたが、その前に違法サイトうんねんのくだりがあるので、そこから連想的に思ったのか。

 という行動の描写が少ないため、脳内でこうではないのか、というイメージしながら読みました。

 純文学なので、そういうところには意味がないとして削って読み手にイメージさせる意図か、短編として構成するために無駄と思えるところを出来るだけ削いだのかを私の解読力不足のため、判断出来ませんでしたが、短い中にいろんな読み手の想像力をくすぐるところがあって良いと思いました。

 

 私の体は一部欠損しているが、どうやって元通りになって戻ったのか。
 内臓まで食べたところまで書かれているため、この体についてはほぼ死亡しているのではないのか。

 という点で気になるところはあります。

 キーワードが転生とあるので、私になったというよりも、死ぬ瞬間に魂を入れ替えて自由になった山だったものが人になって転生したのかな、というややこしいことも考えました。

 が、ラストの【私だったもの、そして貴方になったもの】というのも含めて、入れ替わりの示唆しているので、その点含めて読み手にとてもわかりやすく、丁寧に書かれているとは思いまし、その語らないところが美徳として作品を成立させているのはさすがだと思います。

 こちらの作品はこのオチを書くために書かれたものかと思いました。ネタありきりで、こちらの執筆なさったのかなと推察させていただきましたが、他の方への感想を確認すると、蛇と私のシーンを書きたいために書いたというので、そこからオチとストーリーを構成したとしたらとてもうまく書きたいシーンを印象づけているな、と感服しました。

 

 冒頭の食べること、性的欲求(はじめの過去の回想のなかの行動)を感じないことで心が死んでしまった表現からの恐怖感の欠落ゆえの淡々としている文章による、わたし の欠落さの表現も良く出来ていると思います。

>オーガズムを超えた先、肉が喜べば後に残されるのは脳みその悲しみだけだった。(作品より引用) 

というように主人公は感情を客観視しているので、「私」というものにたいして「肉体の反応と感じ方(悲しい、空しいも肉体による反応)」については分けているのかと思います。

 ただここで「悲しみ」という感情表現がしているため、【わたしは悲しいから自殺するのかな】というよう初めて読んだときは思いました。

 

 山は眠ることなどはないが、味覚はあるというのも人らしさがあるかと思います。

中盤の主人公と山のやりとりでいろいろと出来ないのに欲求があり、味覚があることが主人公との差を生み出すこともそうですが、どちらかというとラストのオチ(ネタ)として使用するためかと思いました。

なので山とわたしの差については(特にわたしについては)婉曲表現を意識してされているので読み手が「こうではないかと想像して怖がる余地」は残されているのが面白いですね。
 想像力の怪物をよく理解して、書かれていらっしゃる。そのため、はじめて読むとき、読み手に不可解さ(この場合は、怖気や嫌悪感)を与えることができるので狙いなど含めてうまく作られていると思います。

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