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異形ト化シタ極彩色世界ノ冒険譚 読みました

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異形ト化シタ極彩色世界ノ冒険譚 読みました

タイトル・異形ト化シタ極彩色世界ノ冒険譚

作者・ラジオ・K様

作品アドレス・https://kakuyomu.jp/works/16816700428673808393(カクヨム掲載)

ジャンル・SF 

 

私個人はSFが苦手、というのもお伝えした上で批評を書かせていただきます。

また作者さん個人からの依頼は無名ノ都シ(2話目)を読んでほしいというので、メインはこちらです

 

■文章などについて

読み手を期待させるのはうまい。

文章遊び、というか、文章での表現を意識されていての改行などを多用しているので、この方は電撃文庫などが好きなのかなぁというところです。そこらへん、うまく出来ていると思います。

また作品のゆるいところとシリアスなところなどメリハリをうまく考えて書かれているところなどはうまいと思いました。

世界観なども演出がうまく、いくつかのレビューで書かれているように「コズミックホラー」といえば確かにそうだなと思うところもあります。

 

そして、このお話は好きな人はものすごくはまる。
万人受けというよりも、コアな人たちがすごく好きっといって読んでしまう中毒性のある作品だと思います。これはとても素晴らしい武器だと思います。

 

私は自分のスマホとパソコンの双方で作品を読ませていただきました。

個人的にこれを読むのにスマホは向かない、という結論です。

上に書いてある文字遊びですが、読む母体が変わるとせっかくの演出が失われる。また情報量が多く、ルビが多いので個人的にはスマホだと読み切れないというのがありました。パソコンのほうがより快適です。

 

世界観などはとてもぎゅうと詰め込んで作られていると感じます。面白いし、タイトルもそうですが、出だしの

>醜い、カビのような極彩色に覆われていた

>そこは海の底。深い、ふかい、ゆめのなか

など設定と言葉選びなどはセンスがあってかっこいいと思います。これはベテランでもなかなか得られないものなので大切にしてください。輝くものがあります。

個人的に断章の戦闘から覚醒のくだりなどははらはらしてかっこよかったし、くるものがありますね。

あそこらへん、私は読んでいてすごく楽しめました。本当にお上手です。

 

 第一章から第二章まではわりとさくさくと序章を読んだあとは読めました。雰囲気を味わいながら読むことが出来る作品だと思います。

 

 

■個人的に気になった点

完成度は高いので、これは本当にただの個人の好みになってしまうため、あまり気にしなくていいです。

どちらかというと、本編のヒロシに至るまでが私は長く感じました。

だから先に「こういうお話」というのを序章で出して、そのあと?章、断章を出しているのかなとは思いましたが、あらすじにあるヒロシまでの出番が長く感じてしまう。思わせぶりなのは読み手に期待をもたせていいのですが、それが何度も繰り返される(ページの前にいくつかの引用あり)が多いとじれます。

個人的に丁重に世界観を書くことに心を砕かれ、見せたいシーンまでがやや長くなってしまっている傾向を覚えました。

 

作品中、メタ神視点(三人称 序章のあれ)、一人称(序のヒロシから僕とページの間に視線の切り替え)、三人称(断章そのあと一人称となりましたね)を使用しているのはわざとでしょうか?

以前、ネットではページを変更することで一人称から三人称変更もたびたびある、というのは聞きました。私の批評は本(紙)をイメージしているので、そういう意味でやや斜め上な指摘になるかもしれません

かなり視線がかわって読む集中力が結構な頻度で切れました。たぶん、SFやネット小説を読み慣れた方は大丈夫なのかもしれませんが、私はその点には苦痛を覚えました。

これについては作者が承知のうえでわざとしているところ、狙いなどもあるかと思うので、真に申し訳ないのですが、こういう読み手もいるんだなと思ってください。

 

 

「…」と「―」は2個ずつ使うのが文章のルールではあります。

作品中「・・・」と三つになってました。

また改行後の一マス開けるが、ところどころで出来ていないところがありました。執筆をWordやメモ帳でして、貼り付けを行うとそうなることがあります。一度確認してみるとより読みやすくなるかと思います。

 

 

作品中で 「「?」」 を多用されておりますが、これは最近出てきたものだと思います。私も使用はしますが、あまり使いすぎると安易になります。また、この「「」」は客観的重なりにのみ使用するほうが読み手の視線がぶれないかと思います。

断章のところで、覚醒、遁走。で「「!?」」とありますが、こちらについては敵側と視線側(アダン)でよろしいのでしょうか? 確かに味方と敵の双方が驚いている、という表現としてはわかりやすいですが、敵と味方の思考がそれぞれシンクロする図は、読み手の視線がブレるかと思います。こちらの手法はどちらかというと台詞がかぶったときに使うほうが読み手としてはわかりやすいかと個人的には思いました。ここらへんは好みですね。

断章から一章が軽く、少し私としてはだるさを覚えたところはあります。 


■無名ノ都シ について

イメージとしてはホラー作品で元ネタがわかるとすごく面白いと思います。

 私はこちらに関してはとても面白いとして読まさせていただきました。SFが苦手でも、読めると思います。

 私は個人的にクトゥルフなどが好きなので、この作品はそういうのも意識されているので面白かったです。

 ただネタとして参照にしている作品はほぼ知らなかったので、的外れな意見をいってしまっていたら申し訳ないです。(作者が気付いてほしいオマージュなどのところについては読み取れていないと思います。こちらの勉強不足で申し訳ないです)

 

 出だしから掴んで、どんどん進めるところなど面白いと思いますし、ホラー展開のところは、きちんと怖い。
 ラストのコズミックホラーチックなところも読みごたえとともに読み手の満足感を得られるつくりだと思います。

 

 

■まとめ

設定などについてはとても面白く、アイディアに溢れる作品だと思います。非常に好きな人にはツボにはまって読ませる雰囲気はあります。そういうのは才能なので大切にしてください。

かわりにいくつかの文章の手法としてあまり多用することで(引用や「「」」といった表現)読み手にしつこいと思わせてしまうところもあるので、お気をつけください
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コメント

1. この度はありあとうございました

改めて、初めまして。
「異形ト化シタ極彩色世界ノ冒険譚」の作者、ラジオ・Kです。

この度は詳細な感想・指摘ありがとうございます!
PCとスマホの両方で読み比べ、その指摘をしてくださったのは No Name Ninja様が初でこざいます。とても嬉しいです。
また、設定と言葉選びにセンスがありかっこいい、との感想ありがとうございます。励みになります!
これからも頑張って更新していく所存です。

「…」と「―」のご指摘、ありがとうございます。自分でも何回か校正をしたつもりでしたがまだまだ漏れがあったようですね。早速修正しようと思います。

大変ありがとうございました!

2. 無題

こんにちは。
名前についてはカホリといっていただければ幸いです。
私が基本的にネット小説を読むときはスマホを使用していたので、かなり違うな、と読んでいて思いました。
おがんばりくださいませ

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