忍者ブログ

感想する人に〇

一よさく華 -幕開け- を読みました。

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

一よさく華 -幕開け- を読みました。

タイトル・一よさく華 -幕開け-

作者・八幡トカゲ様

作品アドレス・https://kakuyomu.jp/works/16816700427884874433(カクヨム掲載)

ジャンル・歴史(純和風 舞台は日本) ファンタジー・友情・恋愛

■あらすじ

様々な人間の、様々な思惑が蠢く中、その闇を懸命に照らそうと、「月」となった一人の少年がいた。

少年は青年となり、女に見間違われるほど華奢な体で、今日も刀を振るう。

自分の心を殺しながら。

すべては、この国を変えるために。

 

※私個人はあまり歴史ものを読まないことを伝えたうえで、とんちな批評でも寛大に受け取りますと作者さまに承諾をいただいて書いております。

 

■文章・世界観などについて

文章は読みやすかったです。

出来るだけ軽いテンポで、歴史が苦手な人にも読めるようにと作者様が心を砕いているのが読み取れます。

軽快な文章で戦闘シーン、キャラクターの苦悩や世界観などわかりやすく、また読みやすいように書かれています。

歴史ものでも難しい漢字の羅列が苦手(豊臣藩うんにゃらとか)の私でも楽しく読めました。

 

ただ、はっきりと日本のこの時代といった明白な記載がなかったので、これは【架空歴史もの】として読んでおります。イメージとしては幕末あたりかな、と思ってますが、違うよっていったご指摘があればこちらの勉強不足です。すいません。

 

はじまりから思わず読ませる展開、そのあと説明行い、読み手をどんどん作品のなかに取り込んでいくのはお上手だと思います。

読み手を飽きさせないための工夫をしっかり行っていられと思います。

 

■気になった点

文章ですが、全体的に読みやすさを重視するため、軽すぎるところもあるかなと見受けられます。

これは完全な読み手の好みで、カクヨムや若い世代はこちらのほうが好みかと思いますが、私はもっと硬い文章をもう少しいれても、この作品はとても栄えると思いました。

歴史ものといいますがキャラクターたちの口調がどちらかというと現代よりな軽さを感じました。

表現のなかに「ガタイのいい」「軽いノリ」といったように今の人に比較的理解しやすい言葉の表現がありました。それが歴史ものとして読むと意気込んでいた私からは多少の軽すぎるかな、という印象を持ちました。

また、スマホとパソコンで二回ずつほど読み返しをして思ったのですが二話のところなど街が出てきますが、具体的なところが端折られていてイメージが少ししずらかったです。

朝一から働くなら商い人の声が響いたり、朝餉のいい匂いがする・・・・・・という足のついた風景がはじめにないと街の人々だけではイメージが少し湧きませんでした。長編でははしょることもありますが、はじめの風景描写などは特に書いてほしい。この作品のテーマが「とある青年がこの国で弱い人が生きやすい世界(つまり、浮浪者が多いのか? 老人や子供・女に対して武士が圧をかけるのか。けれど、そのシーンはあったか?)」と私は読み返して思いました。彼は何が愛しいと思うのか、この街のどこが好きなのか、強者が弱い者を虐げているから弱い者を守りたいのか?(武器を集めて、戦争をしようとしているのは確かに恐ろしいことですが、それ以外で弱い者とはどこに出ているのか)という具体性が欲しいと思いました。それがつまりは主人公の決意の強さ・想いの強さ、そして読み手への説得力になるのだと思います。

作品の中で海軍はあんまり意味がない、ということも書かれていました(二話のところ)私は、これを日本と仮定して読みましたが、日本は海に囲まれた国、さらに小島が多く、海賊やら海での戦闘を仮定していることも多いのでは? と思いましたが封国しているので大船建造の禁とかがあるのかな。とぼんやり考えました。

 

 

ただ、こういう手法はドラマでよくありますね。

「歴史ものが苦手だから読みやすいようにキャラクターたちが現代の言葉遣いを行うことで読み手に理解しやすい」というやつです。

同じパターンで「一人のキャラクターがその歴史に行わない破天荒なことを行い、つっこみ役がこの時代の常識を説明することで読み手に理解してもらう」というやつです。

こちらの作品はあえて読み手を意識して前者をとったのかと思います。ので上にも述べたように好みの問題も関わってきます。
ただ機転である序の六のところで義孝が柚月に向けての軽薄な台詞のとき、少しだけ軽すぎるかなとは思いました。

 

ときどき比喩表現が独特なところがあり、一瞬想像がつかないところがありました。

たとえばですが 

「空には、細く尖った月(第一章 序まり壱.此処からより引用)」

私はこの文章を読んだとき「三角の月があるってことかな?」と一瞬思いました。これは繊月または三日月のことかと読み返して思いました。

表現はとてもセンスがあると思いますが、読み手に理解できない場合は伝わらないこともあります。これはこちらの理解力のなさもあるのかもしれません。

 

作品中、視線がブレたことがあります。

たとえば

「柚月の声が、虚しく響く。
 剛夕は、いたたまれなかった。(第一章 序まり六.山中の悪夢より引用)」

ここで一瞬視線が柚月から剛夕に移りました。その一瞬のブレで集中力が一端切れました。とくに追いつめられて、辛い柚月の視線で読んでいたので「おっ」という感じでした。

出来れば、視線はぶれないようにしたほうが読み手はより柚月に気持ちを沿わせて読めるかと思います。

 

第二章弐.ひときり二人 のお話はえらく改行を使用され、空白が多くありましたが、あれはわざとなんでしょうか? 

一応、パソコンとスマホの両方でページの確認をしましたが、前の話から一気に空白が増えて戸惑いました。なにか作者さまの意図があるのかもしれませんが、そこまで読み取れず、申し訳ないです。

 

文章ルールの間違いかもしれない所をいくつか確認しました。確認してみてください。

「。」がついていることもありました。「」の最後は。は不要かと思います。ご確認ください。

… こちらは二つをまとめて一つとして使用するかと思います。ご確認ください。

第一章 序まり壱.此処から の都の~の書き始め、マス二行あいているようです。ご確認ください。

 

■第一章 序までのまとめ

はじめから何かあるというかんじではらはらとして読めました。それから「柚月」の抱えるなにか、それがずっと見えないまま、彼の苦悩や苦しみをちょっとずつ読みながら進めていくお話。そして歴史がどんどん動いていく。そのなかで知り合った椿のミステリアスさ。

悪夢からどんどん加速する辛い出来事のあと九のところで正体がばれることから始まる衝撃など含めて、とても演出がうまいと思いました。

 

■第二章 まとめ

こちらはいきなり突き落とされるような現実から這い上がってきた主人公が、だんだんと素を見せ始めたところがちらほらと見れました。考えることが若者らしいところや異国のような風景にはしゃいている様子、かんざしを見て大切な友を思い出すところ。はじめに夢という形で出すことで伏線として非常によく役立てていると思います。そのあと椿のことも出してきての、ラストの引っ張るところなどうまく作られていると思いました。

また雪原がとても魅力的に書かれているお話でもあると思いました。きっと彼にはファンが多いのではないでしょうか。

 

■まとめ

しっかりと読んでいただくために工夫をされているのが読み取れました。

またお話の出だしから、ラストのオチ(次へと引っ張るためのあげて落としてのストーリーの展開)は非常にうまいと思いました。

作品の雰囲気を出し方がうまいですね。
また主人公の苦悩や希望を持つところ、さらには雪原という魅力的な人物もきっちりと書き切れていると思います。

PR

コメント

プロフィール

HN:
No Name Ninja
性別:
非公開

カテゴリー

P R